TPOとTPO Lの違いは何ですか？

化粧品業界がより安全でクリーンな処方へと進化する中、成分規制も日々変化しています。最近話題となっているのが、2025年9月1日からのTPOの化粧品使用禁止です。TPO Lも禁止されるのではと心配する声もありますが、実際にはそうではありません。

この記事では、ElegelliがTPO（トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド）とTPO L（エチルトリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート）の違いを分かりやすく解説します。TPOがなぜ禁止されているのか、TPO Lがなぜ使用可能なのか、そしてご自身の製品やサロンのためにどのように賢く選択すればよいかが分かります。

TPOとTPO Lの比較表

特徴	TPO	TPO L
画像
化学名	トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド	エチルトリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート
CAS番号	4559 70 0	84434 11 7
分子式	C12 H11 O P	C18 H21 O3 P
外観	黄色オレンジ色で無臭	透明な液体
一般的な用途	UV硬化型化粧品の光開始剤	UVやLED硬化型化粧品の光開始剤
EUでの規制状況	2025年9月1日以降、化粧品での使用は禁止	禁止されていません安全とされています
健康リスク	生殖毒性の可能性、皮膚や目への刺激	健康リスクは確認されていません
推奨される使い方	今後の処方では使用を避けてください	TPOの代替として推奨される成分

TPOとは

TPOはジェルネイルや他のUV硬化型化粧品で使われる光開始剤で、UVやLEDライトの下で重合反応を促します。これにより、液体のジェルネイルが硬く丈夫なコーティングに変わります。

TPOは硬化が早く、ツヤのある仕上がりが得られるため広く使われてきましたが、毒性や健康へのリスク、特に生殖毒性や環境への影響が懸念されています。

TPO Lとは

TPO Lは新世代の光開始剤です。TPOと同じ役割を果たしながら、より安全で安定性が高いとされています。

LEDやUVライトで素早く硬化します
色持ちが良く黄ばみません
優れた硬化深度
長持ちする仕上がり

主な違いは、TPO Lがより優れた安全性を示していることと、最新の規制で有害物質に分類されていないことです。

TPO Lは単なる代替品ではなく、TPOを上回る性能で高品質なジェルネイルを実現します。

なぜTPOは禁止されたのか

欧州委員会は、消費者安全科学委員会の評価を受けて、規則EC番号1223スラッシュ2009に基づき、2025年9月1日から化粧品でのTPO使用を禁止しました。

禁止の主な理由

生殖毒性
内分泌かく乱の可能性
環境への配慮

予防原則が適用されており、EUはリスクを避けるために有害となる可能性のある成分を排除する方針です。

💅 安心と法令順守を大切に

エレジェリでは必要な場合のみTPO Lを使用しています。禁止成分は一切使わず、仕上がりにも妥協しません。

TPOフリーのジェルネイルを探す

業界の混乱

サロンやオンラインコミュニティでは混乱が広がっています。一部のブランドやプロは、ルール違反を恐れてTPOに言及したすべての商品を、TPO Lのみを含むものまで取り下げています。これにより、不必要な不安や販売機会の損失、さらには誤解を招くマーケティングが生まれることもあります。

みんなが知っておくべきこと

TPOは禁止されています
TPO Lは禁止されていません
それらは同じ成分ではありません

賢いブランドは早めにリフォーミュレート。TPO Lなら品質を損なわずに安全性を実現します。

製品にTPOまたはTPO Lが含まれているか確認する方法

ラベルや安全データシートのINCI名を確認しましょう。違いの見分け方はこちらです。

ラベルに記載されている成分	9月1日以降は使用禁止	商品説明
トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド	はい	TPO
エチルトリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート	いいえ	TPO L