ネイルマシンの実力は、コレットに差したビットで決まります。ジェルネイルを数分でオフできる45,000rpmのマシンも、合わないビットを合わない回転数で回せば、自爪を熱で傷める道具に変わってしまいます。このガイドでは、ネイルマシンのビットをシャンク(軸)から先端部まで順に解説します。形状、素材、粗さを示すカラーリングの読み方、ジェルオフ・甘皮処理・プレパレーション・フットケアにどのビットを使うか、そしてお客様ごとにビットを清潔に保つ方法までまとめました。

ネイルマシンのビットとは:シャンク径が重要な理由

ネイルマシンのビット(ネイルビット)は、2つの部分でできています。シャンク(軸)はハンドピースに差し込む丸いスチールの軸、先端部は実際に削る部分です。プロ用のネイルマシン(ネイルドリルとも呼ばれます)は、シャンク径2.35mm(3/32インチ)で統一されています。ビットがメーカーを問わず使えるのは、この一つの数字のおかげです。2.35mmのビットなら、どのブランドのプロ用マシンにも装着できます。一方、ホビー用のマシンには3.2mm(1/8インチ)のシャンクを使うものがあり、2つのサイズに互換性はありません。ビットのセットを買う前に、まずシャンク径を確かめてください。

どんな作業に使うかは、先端部が決めます。形状は爪のどの部分に使うか、素材は何を削れるか、粗さ(グリット)はどれだけ削る力が強いかを表します。Elegelliのコードレスネイルマシンは2.35mmのビットに対応し、ビット6本とサンディングバンド6個が付属します。以下の内容は、付属のビットにも、すでにお持ちのビットにもそのまま当てはまります。

ネイルビットの形状:種類ごとの役割

白い背景に一列に並んだ6種類のネイルマシンのビット:大きなカーバイドのバレル、テーパーバレル、先端の丸いセーフティビット、ダイヤモンドのフレーム、ダイヤモンドのボール、粗目のサンディングバンドを付けたマンドレル
左から:バレル、テーパーバレル、セーフティビット、フレーム、ボール、サンディングバンド付きマンドレル。
  • バレル(シリンダー):先端が平らで、側面がまっすぐ。アクリル(スカルプ)、ハードジェル、ビルダージェルを一気に削り落とす、長さを詰める、表面を整える、といった作業の主力です。アクリルには大きめのバレル、ジェルネイルには小さめのバレルを使います。
  • テーパーバレルとコーン:同じ作業を、カーブやサイドウォールに沿って行うためのビット。先端が細いので、エッジが皮膚に食い込むことなく甘皮まわりまで届きます。
  • フレーム:甘皮処理の専門家。先端で甘皮の下をきれいにし、膨らみの部分で甘皮のきわの爪表面をなめらかに整えます。マシンケアとロシアンマニキュアの定番ビットです。
  • ボール:ルースキューティクル(甘皮の下の薄い角質)を浮かせて取り除き、爪の溝まわりをきれいにします。大きめで粗目のボールは、フットケアで角質を削るビットです。
  • セーフティビット:先端を丸くなめらかに仕上げたバレルまたはコーンで、皮膚を切ることがありません。プレパレーションやオフを始めたばかりなら、まずこのビットから。
  • ニードルと爪裏用ビット:細く、先がとがった形状。フリーエッジの裏側を掃除し、長さ出しのストレスポイントを整えます。
  • マンドレルとサンディングバンド:使い捨てのサンディングバンドをかぶせて使う、ゴム製の芯。安価で衛生的(お客様ごとに新品のバンドへ交換)、粗目から細目まで揃っています。
  • ポリッシャー:シリコンやゴム製の先端で、削ったあとの表面にツヤを戻します。

素材の違い:カーバイド、ダイヤモンド、セラミック、サンディングバンド

カーバイドビットはタングステンカーバイド(超硬合金)製で、クロスカットの刃が付いています。製品を粉にするのではなく細かい削りかすとして削ぎ取るため、アクリル、ハードジェル、ビルダージェル、ジェルネイルのオフがもっとも速く進む素材です。軽いタッチで使えば熱を持ちにくく、寿命ももっとも長く、粗さを示すカラーリングが付いています。

ダイヤモンドビットは、スチールの先端部にダイヤモンドの粒子をコーティングしたものです。削ぎ取るのではなくヤスリのように削るので、自爪の表面、甘皮まわり、皮膚に向いています。マシンケアにはフレーム、ボール、コーン、フットケアには大きめの先端部を使います。強く押し当てると、カーバイドより早く熱を持ちます。

セラミックビットは、カーバイドと同じ形状で揃っています。軽く、爪に伝わる熱が少なく、錆びないため、ジェルオフ用として、またカーバイドは熱くなりやすいと感じるネイリストに人気があります。ただし、摩耗はカーバイドより早めです。

サンディングバンドは、酸化アルミニウムの研磨紙を筒状にしたもので、マンドレルにかぶせて使います。自爪のプレパレーションのうち粗めに削る工程、フットケア、アクリルのファイリングに使う、使い捨ての選択肢です。バンド1本につき、お客様1人。

粗さ(グリット)とカラーリングの見方

黒いガラスの上に置いた4本のカーバイドビット。シャンクに粗さを示す黄色、赤、青、黒のカラーリングが付いている
シャンクのリングの色が粗さを表します。黄色は極細目、赤は細目、青は中目、黒は極粗目。

粗さ(グリット)とは、ビットの目の粗さ、つまり削る強さのことです。カーバイドとセラミックのビットにはシャンクに色付きのリング(カラーリング)が付いていて、多くのメーカーが歯科用ビットの色分けに従っています。

  • 黄色:極細目(エクストラファイン)。仕上げ、薄いジェルネイル、自爪への作業。
  • :細目(ファイン)。ジェルネイル、甘皮きわのプレパレーション。
  • :中目(ミディアム)。ジェルネイルとビルダージェル、日常的なオフ。
  • :粗目(コース)。アクリル、ハードジェル、角質。
  • :極粗目(エクストラコース)。厚いアクリルとフットケア。

独自の色分けを使うメーカーもあるので、初めて使うときは箱の表示を確認してください。ダイヤモンドビットにはリングがありませんが、考え方は同じです。コーティングの粒子が細かいほど、当たりはやさしくなります。

用途別に見るネイルマシンのビットの使い分け

作業ビット粗さ回転数
ジェルネイルのオフ小さめのバレルまたはテーパーバレル(カーバイドまたはセラミック)、初心者はセーフティビット細目〜中目15,000〜25,000rpm
ビルダージェル(BIABなど)とハードジェルのオフバレルまたはテーパーバレル(カーバイド)中目〜粗目20,000〜30,000rpm
アクリル(スカルプ)のオフ大きめのバレル(カーバイド)粗目25,000〜35,000rpm
甘皮処理、マシンケアとロシアンマニキュアダイヤモンドのフレーム、次にダイヤモンドのボール細目8,000〜15,000rpm
自爪のプレパレーションセーフティビット、細目のダイヤモンドのコーンまたはフレーム、細目のサンディングバンド細目5,000〜10,000rpm
長さ出しの整形、サイドウォールとハイポイントバレルまたはテーパーバレル(カーバイド)中目15,000〜25,000rpm
フリーエッジの裏側ニードルまたは爪裏用ビット細目5,000〜10,000rpm
フットケア:厚い爪と角質大きめのバレル、大きめのボール、粗目のサンディングバンド粗目15,000〜25,000rpm
仕上げとツヤ出しシリコンポリッシャー、細目のサンディングバンド極細目5,000〜10,000rpm

表の回転数は、あくまで出発点です。正しい回転数とは、圧をかけずに作業が進むもっとも低い回転数のこと。押し付けないと削れないビットは、目が細かすぎるか、摩耗しているか、回転が遅すぎるかのどれかです。

コードレスネイルマシンのハンドピースをペンのように持ち、黒いガラスの上でお客様の自爪の甘皮ラインにビットを添えるネイリスト
甘皮処理:圧をかけず、ビットを甘皮ラインに添えるだけ。回転数は8,000〜15,000rpm。

回転数、圧、回転方向

爪に熱がこもる原因は、圧と同じ場所に当て続ける時間であって、回転数だけではありません。25,000rpmでの軽いタッチのほうが、10,000rpmで強く押し当てるより爪に伝わる熱は少なくなります。ビットは常に動かし、削る面と平行に保ち、薄い爪では数秒ごとに爪から離してください。

正転・逆転の切り替えを活用してください。右利きのネイリストは正転が基本です。逆転にすれば左利きの方も同じ動きで施術でき、誰でも持ち方を変えずに爪の反対側を削れます。Elegelliのネイルマシンでは正転・逆転をコントロールユニットで切り替えられ、ビットを強く長く押し当てすぎたときは、過負荷保護がハンドピースを熱くなる前に停止させます。

ビットの交換方法

リング式(ツイストロック)のハンドピースでは、コレットのリングを開いた鍵のマークまで回してビットを抜き、新しいビットをシャンクが奥まで入るまで差し込んでから、リングを閉じた鍵のマークに戻します。コレットを開いたまま、あるいはビットが半分しか入っていない状態で回転させないでください。奥まで入っていないビットは芯がブレ、芯ブレは振動と熱、そしてシャンクの曲がりにつながります。曲がったビットは廃棄します。二度と真っ直ぐには回りません。

ビットの洗浄と消毒の手順

ビットを並べたステンレスのトレイの上で、カーバイドビットの刃に詰まったダストをブラシで落とすところ。隣には消毒液を入れたガラスの容器
ブラッシング、洗浄、消毒、乾燥。お客様と次のお客様の間に行う4つのステップ。
  1. ブラッシング:施術が終わったらすぐに、硬めのブラシでダストと製品のかすを落とします。
  2. 洗浄:ぬるま湯と洗剤で洗います。刃にダストが残りやすいカーバイドビットは、超音波洗浄機が便利です。
  3. 消毒:医療現場で使われるレベルの消毒剤に、ラベルに記載された浸漬時間どおり浸けます。カーバイドとダイヤモンドはオートクレーブ(高圧蒸気滅菌)にもかけられます。セラミックはメーカーの指示を確認してください。
  4. 乾燥と保管:完全に乾かしてから、蓋付きのケースへ。湿ったままのビットは錆び、錆びたビットはもう使えません。

サンディングバンドは使い捨てです。お客様1人に使ったら廃棄します。アセトンはジェルのダストを溶かしますが消毒にはならないので、3つ目のステップの代わりにはなりません。

ビットの寿命と交換のタイミング

カーバイドビットは、毎日使っても数か月持ちます。引っかかる、甲高い音がする、爪が熱くなる、製品に筋が残る、といった症状が出たら交換のサインです。ダイヤモンドビットは、削れずに磨くだけになったら寿命です。セラミックはカーバイドより摩耗が早いので、こまめに確認してください。サンディングバンドはお客様1人分です。

ビットはどのネイルマシンにも使える?

2.35mm規格の範囲内なら、使えます。シャンクはどのプロ用ネイルマシンにも合い、メーカーを自由に組み合わせて構いません。2.35mmと3.2mmの間には互換性がありません。Elegelliのプロ用コードレスネイルマシンに付属するビット6本とサンディングバンド6個は2.35mmで、この先買い足すプロ用のビットもすべて同じ規格です。

よくあるご質問

ネイルマシンでの甘皮処理には、どのビットを使いますか?

細目のダイヤモンドのフレームで甘皮を浮かせて溝を掃除し、次に小さめのダイヤモンドのボールで浮いた角質を取り除きます。どちらも8,000〜15,000rpm、圧はかけません。

ジェルオフには、どのビットを使いますか?

カーバイドまたはセラミックの小さめのバレルかテーパーバレル、細目〜中目で、15,000〜25,000rpm。一層ずつ削り、フィルイン(付け替え)ならベースの手前で止めます。初心者はセーフティビットから始めてください。

セラミックビットは、おすすめですか?

オフ用としてはおすすめです。熱を持ちにくく、軽く、錆びません。ただし摩耗はカーバイドより早いので、長い目で見ると少しコストがかかります。

自爪にネイルマシンのビットを使っても大丈夫ですか?

はい。細目、低回転、セーフティビットか細目のダイヤモンドビットが条件です。粗目のカーバイドを自爪に当てるのは厳禁です。

サンディングバンドは何に使いますか?

自爪のプレパレーション、フットケア、アクリルの整形など、消毒が必要なビットより使い捨てで衛生的な研磨材が向いている場面すべてに使います。

ビットはどれくらいの頻度で交換すべきですか?

切れ味が落ちたときです。引っかかり、甲高い音、熱、製品に残る筋が交換のサインです。サンディングバンドはお客様ごとに交換します。

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